用途　　：個人住宅
場所　　：埼玉県所沢市
敷地面積：644.85㎡
建築面積：186.41㎡
延床面積：170.23㎡
構造　　：木造
階数　　：平屋建て

建築設計：テラダデザイン
構造設計：LAW FAT STRUCTURE（横山太郎）
ランドスケープ：MINDSCAPE（大西瞳）

写真：大森有起

"いつも一緒
「家族のみんながいつも一緒にいるようなおうちに住みたい」
というクライアントの希望を実現する為に、ひとつの空間を飴細工のようにいったん引き延ばし、屈曲させることによって一室空間でありながら要求される諸室の機能を分離することを試みました。
人間の消化器官が、各器官の間は細くくびれ屈曲することによって機能を分離させ、胴体内に畳み込まれているように、本計画の平面形も胃袋のように異なった機能をもった空間はその関連性に応じて一旦絞られ、曲がった先に新たな機能が連続していくように敷地内に畳み込まれています。
連続的に空間の性格が変わっていく為に、身の置き場所をわずかに変えることで、家族同士の「一緒」の距離感を無段階に調節することが可能になりました。

色・艶という素材
本計画では、床を全艶のエポキシ樹脂の流し延べ塗装、壁・天井は３分艶のウレタン樹脂の吹付け塗装とし、共に浅緑色としています。浅緑色は電車や航空機の計器板にも使われている色で、彩度を持ちながらも見続けているとその色に対する知覚が薄れていく色彩におけるホワイトノイズ的な効果があります。この意識から消える色と艶を駆使することによって、無色（白色）のインテリアより陰影が強調された空間を実現することができました。
また、エクステリアについては屋根・外壁共に防水を兼ねて全面FRPとし、一旦外壁表層の質感を消したうえでウレタン塗装としています。"